クンチャーン・クンペーン・ストゥーパ

コッコンの町より対岸を見ると岩の上にポツリと建つ一基の仏塔(ストゥーパ)がある。高さ4mとさほどで土台は15人ほどが立つのにやっとの広さと、あまり大きくはないが、大事な祭事には数多くの人々がお祈りに訪れる。このストゥーパにまつわる昔話(19世紀から纏わるアユタヤ朝叙事詩)も残っている。

 

「クンチャーン・クンペーン」物語

昔々、クンチャーンと呼ばれる男が、村人の娘ピムに恋した。彼は大変裕福な家庭に育ったが、容姿は禿頭で才能に乏しかった。ピムは初恋相手のクンペーンを15歳以来慕っていたが、多才にも関わらず貧しい家の出身であった。クンチャーンとクンペーンは良き幼馴染みであったが、三角関係に縺れ込んだ故に2人は抗争する。クンチャーンは経済力を盾にピムと結婚を果たすが、ある日の夜半、軍役から戻ったクンペーンが密かにピムを連れ出し、恋が再燃した2人は逃亡を図る。これを知ったクンチャーンは、国王にかつての旧友がクーデターを企てていると密告した。クンペーンと共に捕らえられたピムはやがて、2人どちらかを選ぶよう裁判にかけられ、ピムはその場で凍り尽く。国王が下した刑は、彼女の身体を引き裂くというものであった。

その後、クンチャーンはピムの処刑地に鎮魂の柱を、また記憶を偲ぶために仏塔を建立した。それは1世紀が経った今も、コッコンの住民によって手厚く祀られている。